
ゲストハウスで楽しめてる?
「うーん、なんかゲストハウスって楽しくないんじゃないかなぁ」 コロナ禍前から、なんとなくそんな気持ちでゲストハウスを営んできた。 大量生産にホトホト疲れてアパレル業から身を引き、地元である名古屋市有松にゲストハウスを女将と一緒に立ち上げたのが2015年。...

旅は避難訓練のようにすると面白い
「明日は葵祭ですから」 もう何十年前だろう。新婚旅行で海外にも行けなかった我々が、訪れた京都の旅館の女将にそう言われて、 「葵祭って、何ですか?」と聞き返したのは。 今思ってもホントに若かったし、恥ずかしいばかりである。京都三大祭りの一つ葵祭を知らずに前日宿泊したのだから。...

コロナ禍のお花見自粛は間違い?それとも……
「桜を見ながら蕎麦を頬張るのも乙だね」 ガード下の蕎麦屋でカミさんと昼飯を食べていた。 「八分咲きくらいかしら、きれいね」 窓から道路沿いに植えられた桜が見える。樹齢どれほどなのだろう。結構幹は太く、道路をふさいでしまった為であろうか枝が落とされていたが、新芽から多くの花が...

作り手の想いに触れた日
前職はアパレルだった。 大学を出てから28年、一貫して構造不況業種と言われた繊維畑を歩んできた。 そりゃもうファッションと言われる業種だし、一発当てれば大儲け! 海千山千の人々も多く、華やかな業界であった。自分もDCブランドに身を包み、テキスタイル営業からキャリアをスタート...

炎が本能を呼び覚ます
「熱っ! めちゃ、温度上がってるじゃない」 小さなテントの中は、70~80度はあるかと思われる。 4人ほど入れるテントの中に薪ストーブが置いてあり、煙突が突き出ている。人工的なグリーン色は、南と中央、両アルプスが望めるその場所の風景とは質的に違っており、大自然の中にある草間...

有松絞りの伝統は、キャッチアップにあり
江戸から87里。 かつて江戸の人々は、東海道を伊勢神宮へ向う途中で、名物有松絞りに出会えた。 江戸から伊勢神宮へは通常二週間程度かかったそうである。一日30~40Kmを歩き続けることになる。わらじで毎日歩き続けるのは、さぞかし大変な旅であったろう。私ならば、初日で途中棄権と...

コロナで結婚する人が多い!?
「大野屋ゲストハウスのエミちゃんも結婚するんだって。コロナだから結婚する人多いよね」 女将が、Instagramを見ながらつぶやいた。 「えー! いつ? いい人が居たの? 独身を謳歌してたじゃない」 エミちゃんが結婚することにも驚いたが、女将が言う「コロナだから結婚する人が...

町の歴史を探ってみると
そのドイツ人は、私に正対してきた。 身長185cmはある屈強な体を折り曲げ、私の腕の3倍はあるかと思われる二の腕を突き出し、 「ジョンと言います」と日本語で書かれた名刺をくれた。 「日本語出来るのですね?」はっきりと聞き取れる日本語だったので、日本語で聞き返してみると、...