• 大島 一浩

これからの旅は小さな事業者から始まります

 先回ブログ Go Toトラベル から考えること にて、Go To トラベル(以下Go To)に対して書きました。

すべてのことがシステム化されて効率よく動いていくとは考えず、混乱はあるけれど信頼と感謝で前に進もうという私の考えを述べていましたが・・・


舌の根も乾かないうちに、愚痴をグチグチと述べることになるとは・・・


目次

1.大手ツアー会社ではできないツアーをつくってみた

2.枠がないなら早く言ってよ!

3.話は、国のGo To トラベルへ

4.予算の取り合いで、小規模・零細事業者は取り残される

5.小さな事業者から生まれる新しい旅



1.大手ツアー会社ではできないツアーをつくってみた

 事の成り行きは、Go To の前に、愛知県観光消費喚起事業費の補助金(以下 LOVEあいちキャンペーン)申請をしたことから始まります。

先回のブログにて、その経緯を書いているので、ここでは要点だけ。

私と女将で考えた 有松での1泊ツアーに愛知県から半額補助を出してもらおうと、田尾さんに頼んで補助金申請をしてもらいました!


このツアー、有松でゲストハウスを営む我々に出来ることをいっぱい盛り込んでいます。

有松は、400年続く絞りの産地です。現在は、絞り商や作家さんが、絞りの商品を売るだけではなく、絞り体験を運営しています。


MADOでも絞り体験のイベントを何度も開催して、非常に評判が良かったです。


MADOで行た絞り体験の様子


板締め絞りという技法の体験をしました

有松絞りは、綿に染めを施します。通常は、小幅(着物などに使う36cm程度の幅の生地)の平織りの生地を利用します。

体験ではそれを利用して、いわゆる日本手ぬぐいに絞り染めをするものが主流です。


女将は、以前から有松絞りを使って、色々なものを作ってきました。MADOのエコバッグ、シャツ、カトラリーケースなどなど。


女将が作ったシャツ 絞りをあしらっています

おうちゲストハウス 有松散歩の景品となった女将特性マスク

ツアーは


・絞り体験

・体験で作った手ぬぐいを女将がエコバッグなどに仕立て持ち帰れるサービス

・夕飯は、かまどで炊いた白米と江戸食文化からヒントを得た発酵ごはん

・江戸情緒を味わえる町家の一棟貸切り


などを盛り込んだ1泊2日、1日数名限定で、ゆっくりと有松を味わってもらうための企画を練ったつもりです。


LOVEあいちキャンペーンへ応募するため作ったツアーのチラシです 注:このツアーは実施されませんでした


ツアーチラシの裏面 注:このツアーは実施されませんでした



2.枠がないなら早く言ってよ!

 ところが申請してから1週間ほど経った8月4日に、田尾さんから連絡がありました。

「補助金の原資が切れたそうで、申請が通りませんでした・・・」


えっ???


田尾さん曰はく、申請前に問い合わせをしていた時は、原資が無くなったことなど説明もなく、諸項目について質問したのち「申請お待ちしております」って感じの応対だったとか。

それが、1週間ほどして突然原資がなく打ち切りの連絡だったそう・・・(問い合わせ時には、すでに補助金枠は使い尽くされていた模様)



3.話は、国のGo To トラベルへ

 並行してGo To へも我がMADOで参画してみようと、宿泊施設の登録をやってみました。7月31日までは、本登録のシステムが間に合わないために、仮申請をすることができます。仮申請を7月28日にしてみたところ・・・


宿泊施設が直接販売者となって申請するには、「予約・宿泊の記録を独立した第三者機関に保管することができる仕組みを有し、当該記録を宿泊の事実を裏付けるものとして事務局に提出することができる」と注意書きがあります。


第三者機関??と思いながら、認められている第三者機関にもMADOの登録をして、仮申請を完了しました。


その後

 本登録開始日の7月31日に事務局から以下のメールが。

「重複入力、誤入力等が多く、事業者の皆様には返信が滞っておりました」

「本日より本申請期間となりましたので、仮申請及び仮給付枠割当額通知書の発信は終了とさせていただきました」???


そして、改めて本日から開始される本登録申請をして欲しいと。いったい仮申請は何だったの???


信頼と感謝で進もうと言っていましたが、さすがに信頼の文字が揺らいできます。


システム化された定型業務は、難なくこなせますが、イレギュラー業務や初めてのことには、これほどまで体制が脆弱化と思わされました。

事務作業を委託されてから実施までの時間、相次ぐ変更の問題など理由は数あれど、事務局からは、信頼を築こうとする意志が見受けられません。残念なことです。


Go To に関しては、8月5日におとなの課外授業を行うために伺った、ほどほどの女将ナナさんもFacebookで、大いに怒りの声をあげていたっけ。



4.予算の取り合いで、小規模・零細事業者は取り残される

 LOVEあいちキャンペーンは、集中申請受け付け期間(3日間)だけで、予算枠が蒸発した模様だと、田尾さんは言っていました。その大半は、大手旅行代理店から既存ツアーの割引形式で申請されたものだったようです。


それは、現行ツアーの安売りのようなもの。コロナの影響でマイクロツーリズムが提唱されているときに必要な「地元の人でも楽しめるツアー」とは違っているのではないでしょうか?


Go To の仮申請も仮給付枠を配布するためのものだったっはずです。その仮給付割当額の通知をなくして(通知がないということは、当然給付枠が取れていない)、本申請をしても我々のような零細事業者に枠がもらえるのか?疑問になってきました。


本申請を済ませた後のメールには「連日の報道のおかげさまで大変多くのお申し込みを頂いており、審査にお時間を頂いております。(1週間~2週間程度)」と記入されていて、いたずらに時間だけが過ぎ、LOVEあいちキャンペーンのように枠がなくなったということになるのではないのか懸念されます。


大手事業者には、枠がすでに配布されておりますが、零細事業者にはいまだ申請結果すら出ていない。これでは信頼もできなくなってしまいますよね。



5.小さな事業者から生まれる新しい旅

 コロナウィルスにより海外からのみならず、国内からも観光需要蒸発が起きました。

東海3県では指折りの観光地 高山は、近年外国人観光客が増え、大きなにぎわいを誇っていましたが、コロナの影響は例外ではなかったようです。

7月に私の友人が現地へ仕事で赴いて見てきたものは、外国人が来れなくなって宿泊施設はどこも閑散とした現実だったそうです。


海外からの観光客がいなくなったといえども、日本人観光客は来ているだろうと思いましたが、すっかりいなくなっていたとか。

外国人を受け入れすぎて、日本人客が逃げてしまった??のではないのかとも思われますが、私は日本人を受け入れるための準備が浅かったのではないかと考えています。


観光客の受け入れを準備していればいいのでしょうか?

観光とは、風光明媚な場所を観に行くこと。SightSeeing の考えだと思います。

では、旅とは?


私のとって旅とは、観光ではありません。それは、訪れた地の歴史や文化に直接触れて、そこで生活をしている人々と語り合うことです。これからは観光客ではなく、旅人を受け入れることをしていかねば、ならないと思っています。


日本人を受け入れる、まして近くの人を受け入れるマイクロツーリズムとなると、通常の観光ツール例えば地元特産グルメや名所・旧跡では役に立ちません。


一般的に海外旅行では、そもそも文化の違いが大きいので、違いを強調すれば集客はできました。ただし、リピーターが増えてくると、その地を深く知りたい、地元と関わりたいといった要望が増大します。


海外旅行でもその地を深く知ることができるツールを用意することが必要になっているのです。

そこに横たわる歴史だったり、現在、過去の人々の営みだったりです。人々が織りなしてきた生活そのものの体験です。


地元の人からその地の歴史について語り聞いたり、伝統産業の担い手と一緒にモノづくりをしたりといった地元とのつながりが非常に重要です。

前出の高山には、7つの酒蔵を巡るのん兵衛まつりなどつながりを提供する魅力あふれるコンテンツがあり、これからも増えていくでしょうから、やがて日本人客は戻ってくると思います。


地域とつながるツアーは、規模も小さなものになるし、手間もかかります。大企業は敬遠するでしょうし、経済効果の最大化を狙う政策との相性も悪くなるでしょう。


だから、新しい旅は小さな事業者から始めなければならないと思っています。

有松には、伝統産業があり若い担い手もいます。江戸時代から続く町並みもあります。

見学して終わりではなく、地元とのかかわりを体験してもらうことによって、旅人に満足してもらうことができる場所だと思うのです。

町や産業の裏側を見せることができれは、大成功。


既存ツアーの大安売りで、延命しているような補助政策に応募することで、改めてそんな旅の重要度が増していることに気づき、これからも小さな宿で提供していこうと決意したのです。


ゲストハウスMADO

大島




​GUESTHOUSE MADO

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