コロナで結婚する人が多い!?

「大野屋ゲストハウスのエミちゃんも結婚するんだって。コロナだから結婚する人多いよね」

女将が、Instagramを見ながらつぶやいた。


「えー! いつ? いい人が居たの? 独身を謳歌してたじゃない」

エミちゃんが結婚することにも驚いたが、女将が言う「コロナだから結婚する人が多いよね」の方が気になった。


 東日本大震災の影響もあってか、人々が社会とのつながり「絆」を求めて、シェハウスやゲストハウスを利用しはじめ、ちょっとしたムーブメントになり始めた2015年、いかにも50歳過ぎのおやじが考えそうな「若者と話がしたい!」という発想でゲストハウスをオープンさせた。ドミトリーの宿泊施設なので、一人旅のゲストが多く、交流の場としての機能があり、すなわち出会いの場になっていた。

ヘルパーが、宿泊した女性ゲストと結婚する。そんなハプニングというかおめでたいこともあったりして、元々周りに結婚する人が多かったから、コロナの影響で結婚した人が増えたという印象はなかった。


3月21日まで開催されている福よせ雛が飾られているMADOです

「なんで、コロナだと結婚する人が多くなるの?」

我々の周りで結婚する人が多いのは、ゲストハウスという単身者が利用する環境に身を置くことと、おひとりさまにも飽きて自分を見つめ直し、結婚や出産へと踏み出す人が居るからではないだろうか? それともコロナが原因なのであろうか? はたして女将の発言の深層を知りたく質問してみた。


「ん? なんとなく」

やっぱりだ。女将は感覚の人なので、いつも“なんとなく”なのである。

だが、この“なんとなく”は侮れない。人は五感を使って無意識のうちに何かを感じ取って行動しているが、意識へと変換されるきっかけがあるように思う。女将は、無意識のままにそのきっかけのサインを見つけることがあるから。今回もそんな予感がした。


「コロナが影響しているとは思えないんだけどなぁ」


「そうだね。エミちゃんが結婚するのにコロナが影響しているとは思えないよね」

ニコニコ笑って、自分の発言の意味を再度問い直している様子である。


「最近飲食店のテイクアウトやスーパーの惣菜売り場で家族向けのパックが多くなっている気がするの。コロナでリモートワークなんかもあるのかな? 家に家族でいる時間が増えているからかもね? 単純に、スーパーは何かの理由付けで商品を売りたいから、“コロナ=家族の時間”という結び付けで購買意欲をあおっているだけかもしれないけど」


「商魂たくましいよね」

私は、そういいながらフル回転で頭を整理している。

「家族が売りになると、ゲストハウスへ来るのは人が変化するのかな? 交流を求めているのは、無意識に伴侶を求めて旅をしているのだろうと考えていたんだけど、もっと露骨に結婚したくなってきて、結婚相談所みたいになっちゃうとか」


そんな話をしていると、トイレに立ち寄ったついでに息子が口を挟んできた。

「つながる手段は色々あって、SNSで小グループに所属して承認がもらえればそれで社会的なつながりはできちゃうと思うよ。だからコロナで会うことが不自由になったとしても、SNSでつながっているから大丈夫なんじゃないかな。交流もオンラインで出来ると気づいたらゲストハウスは実は不要だったと改めて考える人が出てくるかも」

人ごとのように言ってくれるではないか。

ということは、リアルの出会いの場は不要なわけか? 結婚相談所にもなりゃしない……


息子が続けて言う。

「そのグループもゆるいつながりで複数持っていたりするから、人間関係としては面倒なことはあまりない感じなのかな。家族だと小うるさいこと言われて面倒じゃん」

親に向けて、小言を言うなよという意味だと理解できたが、はたして家族だと関係が濃密すぎるのか??


そこで先日聞いた話を思い出した。

我々の住んでいる名古屋市緑区は、40~49歳人口が最大という地域で、小中学生の子供がいる家庭が多く家族には住みやすい地域だ。その中の職人の知り合いが言っていたのは、


「コロナで、学校が休校になった時は、子供が家にいて大変だったですよ。友達とも遊べないからずっと家にいるんで、しょうがないから外へ連れ出す時間を作って家族で過ごしていたら、親子ともども生活が豊かになったんですね。その分仕事の時間が削られたけど、慣れてくると意外と仕事もはかどって、何とかなりましたよ」

近所にある公園へ行って、自然の中で過ごせたのもコロナのお陰だったかもしれないと付け加えていた。

やはり住みやすい場所で、家族を持つことはいいことだと思われ、コロナがその喜びに気づかせてくれたような話だった。


単身世帯も増えて、社会が個人の時代となり久しい。都会で一人暮らしをしながらキラキラ輝きながら生活してきたが、消費するだけでは満足できなくなり、そろそろおひとりさまにも飽きてきた状況で、コロナが来た。子供が休校で家にいたりとか、スーパーの惣菜パックが4人用になったりとか、家族がクローズアップされて改めて家族のありようを考えさせられる。

結婚をして子供を産むという暮らし向きが、見直されていく気がする。息子はどう思うかわからないが、小言を言われる家族も悪いものではない。

これからは、おひとりさまだけに重点を置かず、家族の時間を大切にできるような宿にもしていく必要があるかもしれない。

そう考えながら、「コロナだから結婚する人が多いよね」という女将の言葉を心の中で、つぶやくのである。


ゲストハウスMADO

オーナー 大島

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