葭始めて生ず(あしはじめてしょうず)
水辺の葦が目を吹き始める頃 / 穀雨:初候・第16候 今回の候はあしですが。。葭、葦、蘆と漢字はたくさんあれど。。。葦って何?
「人間は考える葦である」byパスカルで有名な葦ですよね。 ラ・フォンテーヌの寓話(イソップ寓話)にも登場していて、名前は知っているのですが実際にどんな植物??って思いますよね。 実は今回結構身近にあることを知りました。
アシは古くから日本にある在来植物で、アシからヨシに呼び名が変わったそうです。
8世紀以降、縁起を担ぐ言い方が好まれたので、悪しを連想するのでアシよりも反対のヨシ・良しにしたそうです。 日本名は良し!(笑) よしで探せばいいのですね。
今でも日除けに使われる「よしず」も葦で作られたのでよしず。
江戸の吉原の地名は葦が生えていた沼地だったので葦原→吉原。などなど。 茅葺き屋根の材料にもなったり、竹と同じくとても身近な生活材料だったのですね。 海外に目を向けると、
これまた古くから、船にしたり、紙にしたりと同じく生活材料だったようです。 時候の稚拙な絵:女将作

ラ・フォンテーヌ作「オークと葦」の抜粋です。 オーク(樫の木)は葦に言った。 僕にはそよ風に過ぎない僅かな風にだって君は頭を垂れなきゃならない。 葦は答えた。 私はたわむから、風はあなたに対してほど私に厳しい訳ではないのです。
葦がそう言った時、
ものすごい疾風が吹き、葦はたわんだがオークは風に立ち向かった。 更に強い風が吹いた時、オークは根こそぎ倒れた。
おしまい
「人間は考える葦である」=「人間は一人では弱い存在だが思考する存在であることに尊厳がある」ということなのですね。納得! ・・・・・・・・・・・・・・・
葦はイネ科の植物で茎の中が空洞です。 米藁も麦藁も茎の中が空洞なので、しなやかで細工しやすいです。
ヒトもココロにスキマを作っていた方が生きやすいのかなぁ?
春の空洞野菜といえば、蕗!
春一番のふきのとうも苦くて美味しいのだけれど成長して茎を食べる蕗もほろ苦くシャキシャキと美味しいですよね。
春の味覚は苦味と言われるけど、デトックス効果もあって、苦味って面白いですよね。
嫌われているようで、嗜好されている味覚。
五大味覚の(甘味、塩味、酸味、苦味、旨味)中で一番味の種類が複雑で少量で敏感に反応する味覚らしいです。 苦味は毒物を(毒は大抵苦い)食べないようにする働きもあるようで、命を守ってくれているのですね。
でも不思議。。。 ビールや珈琲、蕗の苦味は美味しいと思っちゃう。。。
苦味は繰り返し触れることで美味しいと感じるようになるそうで、ビールや珈琲、ビターなチョコを好むようになるのは大人の証?ってことになりそうですね。 おかげさまで、ビールが美味しく飲めるお年頃になりました。
七十二候 | mado cafeレシピ
蕗の翡翠煮
愛知でたくさん栽培されている蕗。
一般的な料理法は佃煮風に煮込んだ醤油色のキャラブキなのですが、今回は緑色を活かしたくて翡翠煮に挑戦しました。

1) お湯を沸かし、鍋に入るくらいの長さに蕗を切る。
2) 蕗をまな板の上で塩をかけゴロゴロ板ずりして筋と皮を取りやすくする。
3) 沸騰したお湯に2)を入れ軽く茹でて冷水に晒す。
4) 筋と皮をむき、適当な長さに切る。
5) 白だし醤油と味醂、酒を合わせた調味液に2時間以上漬け込んで完成。
灰汁と加熱で色がくすみます。3)の冷水は数回替えた方が綺麗に仕上がります。
調味料もできるだけ色の薄いものを選んでください。 ビールと一緒に蕗の翡翠煮をつまんで、大人の特権を味わいましょう(笑) ではまた次候 〜MADO女将